教育長のひとこと NO.12

附属学校教育局教育長年頭挨拶

 本年もどうぞよろしくお願いします。1月6日(火)に附属学校および教育局の教職員に教育長年頭挨拶をしました。その挨拶を紹介します。

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 新年あけましておめでとうございます。

 まず昨年の出来事を振り返ってみたいと思います。 筑波大学附属 11 校では、大きな事故もなく、子どもたちが安全で安心できる学校生活を送れたことがなによりでした。また各コンテストや競技で、多くの子どもが活躍しました。「ノーベル賞の科学者からオリンピック・パラリンピックのメダリストがいる筑波大学」と同じ輝きを、附属学校も放っております。科学オリンピックのメダリストからスポーツ選手までいます。これらもひとえに、 600 名 を超す教職員のみなさまの、日々の丁寧な仕事のおかげだと思います。心から感謝します。

 昨年の1月には、筑波大学 40 + 101 周年記念事業の一環として『山海教授と中・高校生との対話』が行われました。「未来はあなたたちがつくるのですよ」とまさにロボットスーツの開発で私たちの未来を照らしている山海嘉之教授からのメッセージに、子どもたちは胸を躍らせました。

 3 月には、3 日間、附属小学校の講堂でヤングアメリカンズのワークショップとショーが行われました。附属 11 校から、小学生から高校生まで、障害のある子ども、また教職員も参加して、アメリカから来たキャスト40数名と、歌とダンスを楽しく学び、披露しました。160名の多様な参加者が、助け合い、支え合いながらのまさにグローバル時代のインクルーシブ教育の実践を象徴するものです。同じく3月には、文部科学省の「スーパーグローバル・ハイスクール(SGH)」に附属高校と附属坂戸高校が指定されました。附属高校は幹事校になりました。

 さらに、「附属学校将来構想委員会中間報告」をまとめました。 「小・中・高連携」 「高大連携・接続」 「特別支援教育のあり方」のワーキンググループでの議論をふまえて、 附属学校の特色・強みは、①総合大学である筑波大学の附属学校であること、②独自の教育で全国を先導している11の附属学校(6つの「普通附属学校」と5つの「特別支援学校」があることであると確認しました。そして附属11校共通の教育理念として、(1) グローバルな視野を持った人材の育成 、(2) ダイバーシティ( 多様性 )を理解し推進する人材の育成、(3) 成果の可視化と発信を確認しました。

 新年度になり、「スーパーサイエンス・ハイスクール」事業が継続するとともに、「インクルーシブ教育システム構築事業( 交流及び共同学習 )」「支援機器等教材を活用した指導方法充実事業」「キャリア教育・就労支援等の充実事業」「特別支援教育に関する教育課程の編成等についての実践研究の推進」など、特別支援教育に関する事業が採択されました。こらからのインクルーシブ教育の推進に向けて、筑波大学附属学校が期待されていると感じました。

 そして、6 月~11 月には、「 教育長と教職員との対話 」を附属 11 校でさせていただきました。各附属学校でのレベルの高い教育の様子や大学・附属学校への要望が理解できました。ご協力に感謝します。 そして10 月~12 月、附属学校監事監査がありました。 監査のまとめである「監事監査チェックシート」の冒頭には、以下のように書かれていました。

「(11の)附属学校では、教員が熱意と創意工夫によりそれぞれの領域で日本トップの教育研究を実践し、教育局が基本方針として掲げる先導的教育拠点、教師教育拠点、国際教育拠点の3拠点構想の取り組みにおいて優れた実績を上げてきていることを確認した」 

 みなさまの教育活動にあらためて敬意を表します。

 さて今年は、国立大学法人の「第3期中期目標・中期計画」作成の年であり、きわめて大きな節目の1年となります。次の6年間(平成28年度から33年度)への助走の年とも言えます。これまでの3拠点構想の取り組みを活かして、次のステップの準備をしたいと思います。

 ここで附属学校のミッションをあらためて、胸にきざみたいと思います。

子どもが成長する学校生活を守る・・・子どもの成長のために、日々の教育活動を大切にするとともに、教育の質の向上に不断の努力を続けたいと思います。

教職員が働きがいを感じる職場を作る・・・みなさんと一緒に職場の改善について工夫をしたいと思います。勉強会もしたいと思っていますし、知恵を出して下さい。

筑波大学の一員として貢献する・・・附属学校は筑波大学の一員です。永田学長就任の際の所信表明で明確にされましたように、筑波大学のミッションは、「地球規模課題の問題解決と未来地球の創造に向けた知の創出」と「それを牽引するグローバル人材の育成」です。附属学校は、筑波大学のミッションの遂行に参加し、貢献します。

 さて監事監査では、一貫して求められる視点として、「全体最適」「経営感覚」「リーダーシップ」があげられました。現在の筑波大学だけでなく国立大学がおかれている厳しい財政状況では、附属学校も経営面での努力が求められます。また11の附属学校を統括する附属学校教育局には一層のリーダーシップの発揮が求められています。附属学校教育局の改革を進めたいと思います。

 そして重要なことが、各学校の「部分最適」から附属11校の「全体最適」へという指摘です。11校の教職員が、11校の知見と資源を効果的に使って、11校の子どもの教育の質の向上をめざすという方向であり、その成果として全国の教育改革に役立つモデルを発信することだと思います。筑波大学の11の附属学校は、それぞれの領域で全国トップレベルの教育研究をしていると思いますが、 附属 11 校の連携や機能の統合による新しい教育の実験や研究、 また成果の発信については、道半ばです。各学校の部分最適を尊重しながら、附属 11 校の特色・強みを合わせた全体最適をめざしたいと思います。そのためには各学校が「守るべきこと」と「柔軟に変化すること」を確認する必要があります。まさに筑波大学附属 11 校の教育研究力と実験成果を踏まえた「グローバル人材育成カリキュラムの提言・実施」と「インクルーシブ教育システムの構築・実施」を軸にして、 将来構想および第 3 期中期目標・中期計画の作成とそれに向けた取り組みの促進が、今年の課題です。そして全国の初等教育・中等教育・特別支援教育の向上に貢献し、大学教育の改革への提言をしたいと思います。筑波大学附属学校は、すべての人の学びに役立つ知識・スキル、教材、人材を発信していきます。

 みなさまのご多幸を祈りまして、新年の挨拶とさせていただきます。