教育長のひとこと NO.4

危機の共有・責任の共有・希望の共有

 

毎日30度を超える暑さに、クールビズも違和感なく職場になじんでいます。

といっても、私の場合はノージャケット、ノーネクタイのレベルで、ポロシャツを着るところまではいきませんが。

私は、「福島県子どもの心のサポートチーム協議会」のメンバーとして微力ながらお手伝いをしております。福島県の子どもたちは、外で遊べるようになり、プールに入れるようになりましたが、今もなお厳しい状況にあります。それでも子どもたちは、学校生活(日常生活)を通して、一歩ずつ成長しています。あたためて、学校のありがたさと力を感じます。今感じていることを、みなさんに伝えたいと思います。

第一に、子どもや学校に関する「当事者としての、危機の共有」です。危機とは、日常の機能を果たせない状況です。同時に人は危機を乗り越えたとき、新しい対処能力を獲得して成長するのです。被災地に限らず、子どもは危機の時代を生きていると言えます。今日は社会的変化の激しい時代であり、子どもも大人も自分の痛みや他者の痛みを受け入れて、つきあっていくのが下手になっています。いじめや虐待、その背景にあるバリア(周りの者の無理解)は、子どもが育つことにとって危機の時代を示しています。

第二に、子どもを育てる「援助者としての、責任の共有」です。子どもが成長するよう援助すること、そして子どもにとって成長しやすい環境や社会の実現は、私たち大人の責任です。私の師匠である学校心理学者アラン・カウフマン先生は、「教師やスクールサイコロジストの仕事は“change agent”(変化の担い手)」と言っています。私たち子どもの育ちに関わる者は、子どもの学校生活や環境をよりよい方向に変える担い手として、責任を共有するのです。

第三に、子どもと大人、「共に生きる者としての、希望の共有」です。すべての子どもに将来(Future)があります。また子どもとともに生きる私たちにも、明日があります。子どもも大人も日々成長しています。子どもの成長や、教員や保護者の変化を見つけて、「すごいね。がんばっているね」と言葉にしましょう。「新しい漢字がかけるようになった」「友だちと支え合っている」・・・福島県の子どもたちに「小さな一歩について教えて下さい」と聞いたときの回答です。子どもの成長は、あまりにも日常的で、自然な出来事であり、また援助者の変化も「当たり前の出来事」ととらえられがちです。だからこそ意識的に、子どもや援助者の変化を言葉にしましょう。そして未来を想いながら(Imagine the Future)、希望を共有して、一歩ずつ前に進みましょう!