【プロジェクト研究2】子どものコミュニケーション能力を育てる(平成24年度)

担当者

附属学校教育局:江口勇治・石隈利紀・菅野和恵

附属学校プロジェクト2研究員

平成24年度の研究の目的

前年度に検討した予備的質問紙調査の結果をふまえ、コミュニケーションスキルに関する質問紙(仮称、児童版、中高生版、専攻科学生版それぞれ)を開発する。児童生徒のコミュニケーション能力を評価する指標として、また授業実践を評価する指標としての活用可能性について検討する。

また、プロジェクト研究員が実践したコミュニーション能力を育てる授業の収集も継続的に行う。これまで、総合的な学習の時間、臨床実習(盲学校)、環境創造、体育、理科、図画工作、また大学教育の中で行われた実践が報告されている。引き続き収集し、教員間の学び合いや授業の振り返りに役立つ場としたい。子どものコミュニケーション能力を育てることを検討することを通して、教員間や保護者とのコミュニケーションに関する知見も深めたいと考えている。

取組状況

平成24年5月29日(火) 第1回研究会

文京校舎4階教師教育拠点室において開催され、9名の研究員が出席した。今年度の研究計画、質問紙作成について議論がなされた。質問紙については、中高生版を作成するにあたり、妥当性の確認と修正内容について話し合われた。出された意見をもとに、再度修正案を作成し、メール等で確認することとなった。また、実施時間、手続きについての検討も行った。研究員より、予備調査結果が報告され(視覚特別支援学校)、先行研究や前年度予備調査との比較がなされた。

自己理解や自己分析用ツールとしての活用可能性(他者評価と自己評価を比較することも含む)、自己分析後の教育的支援方法の収集、英語版の作成、追加項目について、次回以降の会議で検討することとなった。

平成24年7月3日(火) 第2回研究会

文京校舎4階教師教育拠点室において開催され、8名の研究員と1名のオブザーバー参加者が出席した。今年度実施する質問紙調査について検討し、質問紙の内容、項目が決定した。また、実施時間、手続きについても確認した。インドネシアでの実施も予定しているため、英語版についても検討を行い、こちらについても内容、項目が確定した。

研究員より、予備調査結果が報告され(視覚特別支援学校)、性別や年齢等、個人内要因の影響についてディスカッションを行った。

また、調査の実施目的にあわせて自由記述欄を設定することもあげられた。

研究員より、自己理解や自己分析用ツールとしての活用可能性(他者評価と自己評価を比較することも含む)、自己分析後の教育的支援方法の収集、インドネシアでの実施、他の調査結果とあわせて評価結果を活用したい、との意見がだされた。

次回は、インドネシアでの実施の結果(予備的報告)について、検討予定。

引き続き、授業実践の収集を行っていくことも確認された。

平成24年10月2日(火) 第3回研究会

文京校舎4階教師教育拠点室において開催され、7名の研究員が参加した。

実践発表として、附属坂戸高等学校石井教諭より、附属坂戸高校とボゴール農科大附属コルニタ高校(インドネシア)で行った聞き書きプロジェクトの概要が紹介された。坂戸高校生徒による有機農業の名人への取材、コルニタ高校生徒による竹細工工房の名人への取材の様子が写真をまじえながら報告された。現在、両校生徒は、レポートづくりに取り組んでおり、今年度3月下旬には成果発表会が予定されていることも述べられた。聞き書きプロジェクトにおいては、生徒は、名人の言葉を録音し、語られた言葉のみを使ってレポートを構成していくという点について、質問が多くなされた。今後、聞き書きのトレーニングや研修などについても、情報共有する機会を作っていきたいということが確認された。

研究発表として、附属学校教育局菅野講師より、質問紙調査の現在の進捗状況が報告された。集計済みのデータ(附属中学校)、収集済みのデータ(附属坂戸高校、コルニタ高校、大学生)が確認された。中学生、高校生、専攻科生のデータを用いて、結果について意見交換を行い、それぞれのグループで得点傾向に違いがあることが確認された。

今後の作業として、さらなる収集と集計を行うとともに、質問紙活用の検討(事前事後の比較を通して授業を振り返る、他の質問紙との関連をみる)、事例検討(得点をレーダーチャートで示し支援方法を立案する)が提案された。

平成24年12月4日(火) 第4回研究会

文京校舎4階教師教育拠点室において開催され、10名の研究員が参加した。

調査発表が二つあった。

第一に、附属学校教育局菅野講師より、質問紙調査結果が報告された。集計済のデータを用いて、統計処理を行った結果、先行研究との違い、国による違い、年齢による違い、学校による違いが述べられた。「他者受容」スキルの得点に、年齢差、国による違いが一番顕著に示されていた。今後は、集計結果をさらに追加し、年齢、性別、国、学校による違いを検討することとなった。

第二の発表は、附属中学校荘司教諭より、コミュニケーション調査結果と理科の授業に関する調査結果との関連について報告された。実験グループごとに集計した結果を用いて、コミュニケーションスキルと理科授業の学びに関する相関関係を検討したところ、対人スキルである「自己主張」スキル、「他者受容」スキル、「関係調整」スキルに相関関係があることが示された。「自己主張」スキルが理科の授業の学びに多面的に関わっていることなどが示された。

今後の作業としては、研究のまとめとして報告書を作成することが承認された。

また、附属学校研究発表会で、プロジェクト成果を発表することが報告され、発表候補者の相談がなされた。

前回要望があった、聞き書きプロジェクトのテキストも参考資料として一部配布された。

平成24年度研究会日程

第1回研究会 5月29日(火)  18:00-19:30 文京校舎4階472室

第2回研究会 7月3日(火)    18:00-19:30 文京校舎4階472室

第3回研究会 10月2日(火)  18:00-19:30 文京校舎4階472室

第4回研究会 12月4日(火)  17:30-19:00 文京校舎4階472室

第5回研究会 平成25年1〜2月予定