教育長のひとこと NO.18

教育長の一言

あたたかく春の空気を感じる3月17日、筑波大学附属高等学校で卒業式が行われました。明るく、活気ある雰囲気のなか、231名の卒業生を送り出しました。

私の祝辞を紹介します。

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平成27年度 附属高等学校卒業式式辞

卒業生の皆さん、本日はおめでとうございます。筑波大学を代表して、心からお祝いを申し上げます。また、これまでお子様を育ててこられた保護者の皆様方もさぞやお喜びのことと存じます。重ねてお祝い申し上げます。そして、皆さんを指導してくださった附属高等学校の先生方や職員の方々にも、敬意を表するとともに感謝申し上げます。

私は附属高等学校のみなさんとは、海外派遣の面接、また筑波大学―UBCプログラムの修了式でお会いする機会がありました。それは私にとって大変楽しい時間でした。また教職員のみなさんとも一緒に研究する時間が多くあり、みなさんの教育への熱意にいつも刺激をいただいていました。

さて、皆さんの卒業式にあたり3つのことお話ししたいと思います。

まず Be proud of yourself! 自分に誇りをもて です。

これまで18年間の学びと成長に誇りをもってください。附属高等学校に入るまでの日々、そして附属高等学校での3年間、さまざまな経験をしたと思います。成功も失敗、嬉しいことつらいことも含めて、人生の基盤となっていることと思います。

私は1950年生まれです。山口県立徳山高校を1969年に卒業しました。得意な科目は国語と英語、クラブ活動は新聞部と弁論部です。おしゃべりのキャラクターは今も変わっていません。よい教育を受けたと思っています。この18年間は、私という人間の基盤をつくっていると思います。私は育ててくれた家族や学校に感謝しています。

次に Be resilient 打たれ強くあれ です。

レジリエンスという言葉を知っていますか。「回復力、打たれ強さ」という意味です。これまで失敗したことがある人は、幸運です。失敗から立ち直る練習をしているからです。これからの人生で、小さな失敗、大きな失敗、何度か経験をすることと思います。その時忘れないで欲しいのは、「学んできたこと・・学力、体力、問題解決力など、自分の資源(自助資源)といえるもの」はなくならないということです。苦戦しているときは自分が無力に見えますが、そのとき自分のやってきたこと、蓄えた力を思い出して下さい。

私は大学受験で、大失敗しました。第一希望は、東京教育大学・・・そう、筑波大学の前身です。でも不合格でした。当時は大学の合否は、学生さんのアルバイトで電報による連絡でした。「桜散る」という結果でした。悔しいのと悲しいので、かなり落ち込みました。第二希望の大学に行きましたが、結構長い間苦悩していました。そんな自分を救ったのが家庭教師でした。自分の学力、対人関係能力がここで活きました。こうして少しずつ自分を取り戻すことができました。東京教育大学に入れなかった青年が、今筑波大学で教員をしているのは面白いですね。人生は不思議です。

そして Keep learning 学び続けよ です。

学び続ける・・この言葉をみなさんに贈りたいと思います。少し背伸びして、チャレンジして、学ぶことが大事です。大学生活も、仕事も、新しいことが満ちています。新しいことを学びながら、成長して下さい。新しい試みには、失敗はつきものです。失敗から学ぶことです。

私は30代、アメリカの大学で心理学を学びました。アメリカでアフリカ系アメリカ人、ヒスパニック系アメリカ人とも一緒に学び、仕事をしました。自分がアジア系であることに、あらためて気づきました。多様な人が一緒に暮らすのは、大変で有り、刺激的であり、面白くもあります。そして英語力は伸びましたが、勝負は話す中身であることを痛感しました。私がお会いした外交官は英語が達者な人ばかりではありませんでしたが、人物も話も魅力的でした。私は40才で日本に帰り筑波大学に赴任して以来、人の役に立ちたいという強い気持ちと人の役に立つために学ぶ姿勢で生きてきました。私は65才になりました。この3月、みなさんと一緒に筑波大学を卒業(定年退職)します。でもまだ夢の途中です。

 これからグローバル時代に活躍するみなさんに、贈ります。“Keep Learning”

 みんさん、ご卒業おめでとございます。私からのお祝いのことばとします。

2016年3月17日(木)

筑波大学副学長・理事 附属学校教育局教育長    石隈利紀