教育長のひとこと NO.3

 新年度が始まりました。今年は、第三期中期目標・中期計画期間の2年目に当たります。先の「ひとこと」にも書かせていただきましたが、附属学校教育局と附属学校群は、第三期中期目標・中期計画期間6年間に重点的に取り組むテーマをグローバル教育とインクルーシブ教育としております。1年目である昨年度は、それぞれのテーマに取り組む作業日程の作成が中心となりましたが、2年目である今年度は、より具体的な取り組みに着手することになります。

 

 グローバル教育に関しては、私たちは、『平成30年度までにグローバルな素養を育てるカリキュラムの開発』を具体的な目標として定めています。グローバルな素養とはどんなものでしょうか。グローバル人材育成推進会議(2012)は、グローバルな人材に求められる要素として、「要素Ⅰ:語学力、コミュニケーション能力」、「要素Ⅱ:主体感・積極性、チャレンジ精神、協調性・柔軟性、責任感・使命感」、「要素Ⅲ:異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティ」をあげています。これら3つの要素をまとめると、グローバルな素養と言えるようにも思われます。素養とは、単に知識や技能を習得したということだけではなく、身につけた知識や技能を活用できることと考えます。このように考えますと、グローバルな素養を育てるためのカリキュラムには、何を学ぶかの他に、学んだものをどう使うのかを考え実行できる姿勢を育成する内容も必要になるのかもしれません。

 

 インクルーシブ教育についても、『平成31年度までに筑波型インクルーシブ教育システムを目指したプログラムの開発』を、達成目標として掲げています。筑波大学附属学校群には、6校の普通学校と5校の特別支援学校があります。これまでも、普通学校と特別支援学校の児童生徒が交流してスポーツやさまざまな活動を行ってきていますが、個々の学校同士の2校間による交流が主でした。2年前より、普通学校と特別支援学校、それぞれ複数の学校の児童生徒が参加しての共同生活形式による交流活動を開始しました。また、昨年は、さらに一般の方にも参加いただき、さまざまな障害者スポーツを一緒に行い、その後に児童生徒主体のシンポジウムも開催いたしました。シンポジウムでは、小学生から高校生まで、それぞれ自分の意見をしっかりと述べてくれました。筑波大学附属学校群としての特色を活かしたこれらの活動は、一方では、筑波大学附属学校群だからできたことと言われるかもしれません。私たちは、省察と改善を加えながらこれらの活動を継続し、また、学校内における取り組みも考えながら、筑波型インクルーシブ教育システムを自問自答しながら構築し、その成果からより一般化したプログラムを開発していきたいと考えています。

 
 
 グローバル教育とインクルーシブ教育、どちらも、これから新しいことを設計して行うのではないと考えています。附属学校群11校が、それぞれのこれまでの教育実践をこれらのキーワードで整理し直し、追加修正を行いながら自分たちのスタイルを構築していくものではないでしょうか。

 今年度一年、私たちは、これらの2つの課題に取り組みつつ、他の活動も進めていきたいと思っております。私たちの活動に、さまざまな視点からのご意見をいただければ幸いです。どうぞ、また一年、よろしくお願いいたします。

2017年4月