教育長のひとこと NO.7

前回の「ひとこと」で九州地方の豪雨災害について触れさせていただきました。今月の「ひとこと」も、台風5号で始めることとなりました。

台風5号の被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。

 

8月、子どもたちが待ちに待った夏休みの真っ最中です。夏休みに入ってすぐの7月26日から28日、2泊3日の黒姫高原共同生活がありました。筑波大学附属学校群の小学生から高校生までの子どもたちが、ハンディキャップのある子どももない子どもも一緒になり、黒姫高原でさまざまな活動を行うものです。私も、昨年度に引き続き、今回も全日程に参加いたしました。東京を出発するときは雨でしたが、黒姫にいた期間、活動中は不思議にもほとんど雨が降りませんでした。涼しい高原で、子どもたちと活動する楽しさと、子どもたちがたくましく成長する様子を見つめられる喜びを、それぞれ感じた3日間でした。活動の詳細は、また、附属学校教育局のホームページでご報告させていただきますので、楽しみにお待ちいただければと思います。

 

夏休み、子どもたちとご家族が一緒に過ごす時間が増え、それだけ親子の会話も増えることと思います。会話は、言葉のやりとりが基本ですが、言葉だけでコミュニケーションが成り立っていることはありません。言葉の他に、表情や身振り手振り、さらには話し方(プロソディと言います、言葉の抑揚や強弱など言葉に備わる音声的特徴のことです)などもコミュニケーションでは使われます。言葉(文字もそうですが)は、こちらが伝えたい事柄の意味内容を伝えます。一方で、表情・身振りや話し方は、こちらの気持ちを伝えます。『うちの子どもはやんちゃで困ってるんです』とお母さんが言ったとしても、そのお母さんは本当はそれほど困ってはいなくて、子どものことを可愛くてしょうがないと思っている、ということは、話しているときの表情や話し方などで分かることはよくあることです。私たちは、話をする際にはそのときの自分の気持ちが自然にそのまま表情や話し方ににじみ出るものなのです。

言葉で話す内容は、意識して本当の思いと違う内容を話すことは難しくありません。ところが、気持ちの方は、ついつい本当の気持ちが表情や態度に出てしまいがちです。子どもに『怒ってないよ』と言いながら眼は怒っているという状況は、多くの親御さんも経験したことがあるのではないでしょうか。そのようなとき、子どもは、何度も『怒っていない?』と聞いてくることがあります。こちらがことばで何か話しても、同じことを何度も子どもが確認してくるとき、こちらの言葉と表情や話し方のちぐはぐさに子どもは気づいており、話された言葉の意味内容では安心できず、繰り返し聞いてきているのかもしれません。そうしたときは、ちょっと子どもから離れ、鏡の前でご自分の顔をご覧になるとよいだろうと思います。『えーっ、こんな顔して話してたんだ!』と気づかれることもあるかもしれません。そのことに気づかれたら、あとは大丈夫です。ご自分で驚かれるほどの表情は、決してよい顔とは言えない場合がほとんどだろうと思います。そのような表情を続けるのは、ご自分でも嫌に感じられますから、少しずつでも穏やかな表情にもどれるだろうと思うからです。

 

まだしばらくは暑い日々が続くようです。熱中症に気をつけながら、楽しく充実した夏休みを子どもたちに過ごして欲しいと願っています。