1月のひとこと
新年明けましておめでとうございます。最近ではあまり聞きませんが、“一年の計は元旦にあり”と古人は伝えています。今年こそはと様々な計画を練るのは楽しくもありチャレンジングなことです。せめて年末・年始の休暇中に、余裕を持ってゆっくりとこの一年に思いをめぐらすことは現代ではとても貴重な時のように私には思えます。
ところで、正月の一言には相応しくないかも知れませんが、昨年末の新聞に、文部科学省の調査による公立学校の「心の病」を持つ休職教員数が、昨年度、全国で5274人に上ったとの記事が一面トップに掲載されました。平成3年度に約2500人であったものが8年度にかけて急激に増加し、5000人以上になり、病気休暇を含めると8500人も数えます。もちろん、筑波大学附属学校の教職員も例外ではなく、毎日の教育・研究活動、業務などに多忙を極め、ともすると心のバランスを崩し掛かっている方々がいます。私としても、その改善策を常に考えています。教職員数を増やすことが、最も効果的であると頭では理解できても、国立大学法人への運営費交付金の毎年の減少を考えると、教員の加配は極めて困難です。とすると、残念ですが、学校におけるあらゆる活動・業務の見直しと効率化の確立しか改善策は無いような気がしています。今一度、学校の運営に関わる全ての活動を教職員全員で見直し、優先順位を付けて、適材適所で人を配置することが基本的に重要です。今年こそは、それをやってみませんか?。従前からの取り決めも見直しながら、できるだけ、気持ち良く職務が遂行できる職場環境を作りませんか?。ここ数年、「心の病」を抱える教職員だけではなく、様々な理由から他の職場へ転出される教職員が増加していることも気になります。学校にとって余人をもって替え難い人の転出は、学校の活力に直接的に影響します。児童・生徒の立場に立った各学校の将来を構想しながら(Imagine The Future)、次世代の人材を育む職場環境作りに努力しましょう。
さて、附属学校教育局と附属学校では、その存在意義が常に国民から問われていることを意識しながら、各学校の特色を活かして、今年も様々な活動を展開しなければなりません。中でも、1)グローバル人材の育成、2)広報活動の活性化、3)教育施設・設備の整備、4)外部資金や特別経費などによる研究教育活動の活性化に取り組んでいく必要があります。この流れを止めてはいけません。自民党政権が復活した今年度、教育再生を唱えてきた安倍首相は、持論の愛国心の高揚やゆとり教育からの脱却を民主党政権の時代よりもさらに強く進めるでしょうし、そのために、都道府県の教育委員会活動にも注視している様子です。その意味では、中央教育審議会の論議を踏まえた教育政策の中で、公立学校の学校教育の在り方が今とは随分と変わる可能性があります。そして、必ずや、この動きは、われわれ附属学校の教育にも影響するでしょう。どんな形であるのか定かではありませんが、こんな時こそ、これまで培ってきた教育理念および実践に自信を持って邁進する必要があると考えられます。経済的閉塞感と外交・防衛の緊張感が造り出す不安定な社会的雰囲気を晴らすような活動を附属学校から先導的に行い国民に発信しましょう。