2月のひとこと

このところ、ヨーロッパ並みとはいかないまでも、日本各地が寒波に襲われ、日本海側では豪雪になっています。さらに、インフルエンザも流行し、既に附属学校では学級閉鎖になったところも出ています。2月になれば3月の早春も近いと期待しますが、今は1年で最も寒い時期であり、健康第一に過ごすことが肝要です。

ところで、このコラムに大事なことを書き忘れていました。昨年12月23日に開催された「科学の芽」賞の授賞式です。既に、附属学校教育局や筑波大学のホームページでご覧になった方も多いとは思います。私は、総評の挨拶の冒頭にも述べましたように、受賞者のプレゼンテーションを聴いて、「感動しました」。受賞された児童・生徒は勿論ですが、本賞に応募された2200件をこえる作品に示された子供たちの柔軟な発想力と展開力は、実に、「科学の芽」賞と呼ぶに相応しいものでした。本賞も今年度で6回目を迎え、その内容と知名度は次第に高くなっており、さらに発展させたいと思っています。“理科離れ”が言われて久しいのですが、自分の身の回りのことから宇宙のことまで、不思議と思う知的好奇心は誰にでもあり、それを育むことが学校教育において肝要であることは論を待ちません。「科学の芽」賞の事業もその一端を積極的に担わせて頂いていると強く再認識して、将来のわが国の科学技術や学術発展に貢献する子供たちが受賞者の中から続々と輩出されるように、さらに「感動する」ように、これからも続けて行きたいと思います。

さて、附属学校教育局と11校の附属学校は、上記のような様々な社会貢献活動を行っています。特色ある取り組みの一端を紹介します。大きく分けると、1)研修会・公開講座、2)地域との連携事業、そして3)その他の活動・事業に分けられます。例えば、1)では、世田谷・目黒区民を対象に、いつも200名ほどの参加者がある「筑駒アカデメイア」という附属駒場中・高等学校が行っている取り組みで、同校に関係の深い各界の著名人を講師に迎えて講演会を開催し、加えて生徒と教諭による子どもから社会人までの公開講座も行っています。評判が良く今後とも続けてほしいとの参加者の意見が多く聞かれます。また、附属坂戸高等学校では、近隣の公立の学校も巻き込んで、生徒が主体になり講習会などを開いています。その他の学校でも、数多くの特色ある教育研究会、公開講座、セミナーなどを、一部、文部科学省の委託事業としても行っています。2)では、茨城県大子町との連携事業として、教育委員会の支援の下で、本学の附属学校教員による特別授業などが行われています。大子町とは、筑波大学としても、町おこし等も視野に入れた連携協定を2008年に結んでおり、今後とも、この他の市町村へも広がっていくことが期待されます。3)では、附属桐が丘特別支援学校の活動で、これまで同校で研究開発されてきた自立活動の指導方法などについて、その理念、具体的な技能・技術などを現職の教員および障害のある子どもの保護者・家族に指導・訓練を年間20回ほど精力的に行っています。

以上、紙面の関係で、ほんの一部しか紹介することはできませんでしたが、是非、附属学校教育局や各学校のホームページを訪ねて頂いて、御理解と御支援を頂ければ幸甚です。