3月のひとこと

大学・附属学校の年度末、3月です。まだまだ寒く感じる日もありますが、東京キャンパス文京校舎の玄関の周囲に植栽されたジンチョウゲの花芽が膨らんで、今にも咲こうとしているように、確実に春はそこまで来ています。

今年度の附属学校と附属学校教育局の活動には、特筆すべき活動がありました。その一つは、従来の広報活動に加えて、「文教速報」「文教ニュース」などの広報メディアに附属学校教育局と11校附属学校、理療科教員養成施設と特別支援教育研究センターの日々の諸活動が皆さんの努力によって掲載され、広く国民に知ってもらう機会が増大したことです。このことは、附属学校教育局のホームページへのアクセス数が、昨年4月と比較すると、4倍強も増加している事実に端的に現れています。それだけ筑波大学附属学校に関心を持って頂いたということであり、広報活動の重要性を改めて感じています。もう一つは、附属学校におけるグローバル人材育成の充実を目指した教員および児童・生徒達の国際的交流、英語学習などの学習教育環境の部分的整備、外部資金による国際的研究教育活動などが一段と促進され活発化したことです。特に、坂戸高校は、昨年度の駒場中学校・高等学校に続いて、「海外大学間交流協定校ネットワークを活用したブローバル人材育成事業」によって今年度の教育分野の学長表彰を受けました(全学から18件の応募があり、5件採択された中の最高評価でした)。このような国際的諸活動を通して、坂戸高校を始めとして各附属学校の教職員・生徒の世界に開かれた目は確実に育っており、さらなる展開・強化されることが期待されます。また、視覚特別支援学校では、今後5年間、JICAの草の根技術協力事業として、「インド共和国における視覚障害者の職業教育支援事業」を開始しました。長年に亘り蓄積・実践してきた成果が世界的に評価される好機であり、視覚特別支援学校の存在意義を示す国際的貢献として、大きく展開して欲しいものです。これらの国際的な取組みは、関係する全ての教職員の一体感・連帯感の下での協働無しには実現しないものであり、大学が掲げる「Imagine the Future」を常に想起し、附属学校の将来を常に構想しながら、さらに前進して行きたいものです。

ところで、3月は、退職・離任の時期でもあります。今年度、6人の校長・副校長を始め、各附属学校の発展に貢献された方々が学校を後にします。長年のご尽力に感謝申し上げます。また、私事ですが、今月末をもって教育長を退任し、筑波キャンパスに戻ります。教育長として2年という短い時間でしたが、附属11校の教育研究活動に関ることができて大変に嬉しく思っております。なお、次期教育長は、教育局次長として活躍されて来た石隈教授です。3拠点構想に沿った各附属学校における諸活動のさらなる充実、附属学校間の連帯感・一体感の醸成、そして大学との連携強化を心から願っております。そして、最後に一言。歴史を振り返ると、どんな時代にも、次の時代を創造する人々が内包されています。長い伝統を持つ附属学校においても、それぞれの学校の特徴を活かしながら、次世代人材を大事に育てることが将来的発展に直結し、国民の期待に答えることになると信じます。