3月のひとこと

附属学校教育局では、先月2月25日に春期研修会と研究発表会を終えたばかりです。今年の研究会では、宇宙航空開発研究機構(JAXA)宇宙科学研究所の阪本成一先生をお招きして、「「はやぶさ」とALMAで探る太陽系の始まり」と題して、御講演を頂きました。世界初の快挙である惑星探査機「はやぶさ」による小惑星イトカワの探査と地球への生還および得られた数々の新知見、ならびに2013年に完成予定のチリ・アンデスに設置される巨大電波望遠鏡ALMAの話に参加者は皆釘づけでした。お話を聞いて、宇宙や天体に関する新しい研究情報が、万人に関心を呼び覚ますことを改めて感じた次第です。宇宙や太陽系の過去・現在・未来について思いを巡らせることは、暫し煩雑な仕事に追われる日常を忘れさせ、豊かな心持にさせることに爽やかな感動すら覚えました。阪本先生が講演の最後で述べられた問いへの科学的回答として、「地球は、この宇宙で唯一の奇跡の太陽系の惑星である」ということを切に願うのは私一人ではないと思います。この私達が住む地球は、まさに、宇宙で唯一のかけがえのない存在であって欲しいのです。また、講演会後の演技発表では、桐が丘特別支援学校の小学部5・6年生による「KBSニュース」がありました。私は、昨年、文化祭で既にその発表を見ていましたが、随所に改良された所があり、改めて子供達の頑張りが伝わってきました。発表が終わった後、全員の子供達と握手をしましたが、手には一杯汗をかいていて、とても緊張していたことが如実に伝わってきました。

午後からは、研究発表会でした。主に附属学校教育局と11校の附属学校で取り組んでいる研究プロジェクトに関する発表です。発表された研究から、特色ある取り組みの一端を紹介します。まず、本年度、特別支援学校5校を含む11校に導入されたスクールカウンセラーの活動報告がありました。今回は、桐が丘特別支援学校と坂戸高等学校での教員との連携を通した校内での支援体制作りについて、スクールカウンセラー配置のメリットおよび残された課題についてお話を頂きました。総じて、現在のところ、子供および教員の支援体制が格段に強化されたようです。また、国際教育拠点研究事業の推進という観点から「グローバル人材の育成」と題して、3つの発表がありました。視覚特別支援学校での国際教育の取り組みでは、今年で3年目に入っていますが、インドを舞台に、日本から教員が出向いて職業自立支援事業としてどう展開していくかという大変に興味深い活動が紹介されました。また、これも最近になって取組んでいるオリンピック教育について、その意義と筑波大学および附属学校における最近の取り組みが紹介されました。その中で、附属高等学校から2名の生徒が、第8回国際ピエール・ド・クーベルタン・ユースフォーラムへ派遣され、大きな成果を持ち帰りました。世界各国の同世代の生徒たちがお互いに交流を行い、オリンピックの持つ様々な教育的側面について深く学ぶとともに、人間として成長していく姿を見るのは大変に嬉しいことです。

以上、この場では、ほんの一部しか紹介することはできませんでしたが、是非、附属学校教育局や各学校のホームページを訪ねて頂ければ幸甚です。