4月のひとこと
新年度の始まりです。桜の開花が平年より遅れていると聞いています。今年も新入生を附属学校に迎え、附属学校教育局の運営体制も改まり、何故か気持ちが少し高揚し緊張します。学校に関る職業に就くと、正月より4月の方が、一年の区切りであり、抱負や目標を持つには良い時期であると毎年のように思います。今年1月の教育長の一言の欄に、2002年の朝日新聞の切抜き「転機の教育」について触れ、その中で、“今日、グローバル経済の浸透に伴い、産・官・学を通して、グローバルに活躍できる人材の養成が求められています。この教育研究・実践は、益々、今後の日本を左右する大きな課題であろうと思います。私達も、筑波大学の附属学校らしいユニークなグローバル人材の育成に貢献できれば、必ずや、私達のプレゼンスが上昇するはずです。”と述べました。新年度には、国立大学改革強化推進補助金として各大学から提案された内容に基づいて、文部科学省から予算が配分される予定です。筑波大学は、その中の大きな提案の一つとして、グローバル人材の育成を掲げています。その意味でも、是非とも、今年度を附属学校教育局と附属学校の新しいステージの幕開けの年にしましょう。
ところで、つくば市では、今年度から、小中一貫教育がスタートします。義務教育9年間を、小学校4年までの基礎・基本の4年間、中学校1年までの活用の3年間、そして中学2・3年での発展・応用の2年間からなる一貫教育課程としてとらえ、子供達の発達段階に適した指導を実践すると共に、学習面でも生活面でも連続性のある教育環境を創出することを目指しているそうです。中学1年生を7年生と呼ぶそうです。このこと自体は、新規性が高いものではありませんが、つくば市の全ての小・中学校で、“施設分離型”ではありますが、15の地域ごとに既存の小学校と中学校をグループ化した“○○○学園”を新設し、共通の教育目標、指導内容、指導方法を設定し、全教職員・保護者が共有しながら、地域の協力下で実施されます。小学校高学年の教科担任制、小中の教員交流による専科授業・TT授業の格段の進展、中学生による小学生への学習支援などの取り組みに特徴があります。中でも、昨年12月に、つくば市立の全ての小・中学校が「教育課程特例校」として文部科学省から認定され、新しく「つくばスタイル科」が導入され、小中一貫カリキュラムの中核的な学びとして実施されます。この科目は、「つくばの未来を担い国際社会で活躍する人材」を育成するために、「国際理解(小学校1学年からの外国語活動を含む)」「環境」「科学技術」「歴史・文化」「キャリア」「福祉」「豊かな心」という7つの学習テーマからなる9ヵ年を見通した特別な教育課程です。単に知識の学習ではなく、発信型のプロジェクト学習を行うことにも特徴があります。児童・生徒は、7つの学習テーマでそれぞれの課題を見つけ、情報を集め、何が出来るかを考え、つくばの次世代型スキルを育成して、得られた情報を発信していく新しい試みです。
この例に見るように、現代の時代の流れは予想以上に速く、先を見据えた教育が必要で、私達は、常に、先導的な試みに取組んでいかなければなりません。