6月のひとこと
最近の空模様は不安定そのもので、偏西風の南側への蛇行が原因らしいのですが、竜巻や急な強い雷雨などどうしようもありません。さて、先月から始めています附属11校の教員との懇談会ですが、現場の先生方と意見を交わして、附属学校の現状と課題についての認識を共有したいと思っています。この間、附属桐が丘特別支援学校、附属大塚特別支援学校、附属視覚特別支援学校、そして附属坂戸高等学校の4校で教員との懇談会を開催しましたが、附属学校の現状と課題に関して活発な発言と意見を頂いています。各学校の特色ある教育研究活動に深く関係する意見が多く出されています。懇談会の前半では、私から、現場の忙しさにともすれば忘れがちになる筑波大学の第2期の中期目標・計画、平成24年度の附属学校教育局の重点施策、平成23年度の監事監査報告の内容について再確認し、その内容を共有して頂くと共に、後半の時間では、それらを基にした各学校の教員が「現状と課題」についてどのように考えているのか、時間の許す限りなるべく多くの意見を頂いています。折に触れて、このような懇談会を開催することは、法人化後8年を経過した附属学校全体にとって有意義であると思いますし、何より、附属学校の将来を考える糧とさせて頂きたいと考えています。全ての懇談会が終了した後で、このコラムにその成果を書かせて頂く予定です。さて、今月は、このところ中断していた各附属学校の紹介をしたいと思います。上記の懇談会を開催した4校の中から、附属大塚特別支援学校と附属視覚特別支援学校を簡単に紹介します。
まず、附属大塚特別支援学校ですが、歴史は古く、1908年(明治41年)に、東京高等師範学校附属小学校の第三部に補助学級の名を冠した教育機関として初めて設けられました。以来、今年で104年、1960年に東京教育大学教育学部附属養護学校として発足し、1964に現在の文京区春日地区へ移転し、独立した特別支援学校として52年の実績を刻んで来ました。幼稚部から高等部まで4学部とセンター的機能を担う支援部があります。とくに、支援部は、文京区内の保育園や幼稚園、小中学校に在籍する特別なニーズを有する子供の教育を支援し、また、地域の学校・園から依頼のあった子供の教育相談を行っています。さらに、最近の研究として、0歳から2歳までの超早期段階における知的・重複・発達障害児に対する先駆的な教育研究モデル事業が展開され、新しい試みがなされています。
次に、附属視覚特別支援学校ですが、わが国唯一の国立大学法人附属の盲学校として、1879年に「楽善会」が訓盲院の校舎を完成させ、翌年に2名の盲生が入学して授業が始まって以来、130年以上にわたり、ナショナルセンターの役割を果たして来ました。視覚障害と一口に言っても、その在り方は様々で、他の障害や病気を併せ持つ子供たちもいます。教育指導内容は、一般の学校と変わらず、教科書の内容も同じですが、視覚に頼らないで説明できる色々な工夫の中で授業が展開されています。自立できる生徒を育て、社会で活躍できるよう、寄宿舎での共同生活等も活かしながら、日夜、質の高い教育が行われています。
この二つの特別別支援学校も、さらに大きな目標に向かって邁進して行きます。