2019年度全国高校生フォーラムを開催

去る12月22日に文部科学省・筑波大学主催による「2019年度全国高校生フォーラム」が、東京国際フォーラムで開催されました。

本フォーラムは、スーパーグローバルハイスクール(SGH)(以下、SGH)の高校生が参加した2017年度、2018年度全国高校生フォーラムに、2019年度は、新たにWWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業(以下、WWL)及び地域との協働による高等学校教育改革推進事業(グローカル型)(以下、グローカル型)の高校生も加わり3回目の開催となり、全国規模で開催される日本で最大規模のフォーラムとなっております。

本フォーラムには、令和元年度時点のSGH指定校67校、SGHアソシエイト7校、WWL事業拠点校や連携校25校(タイや台湾、海外からの参加2校も含む)、グローカル型指定校18校、グローカル型アソシエイト1校の計118校の代表生徒や留学生が一堂に会し、全国47都道府県から約1,200名にものぼる高校生や高校教育関係者が参加しました。参加した高校生は、日頃取り組んでいるグローバルな社会課題の解決に向けた学び英語でポスターにより発表するとともに、全国の高校生とアジア高校生架け橋プロジェクトによる留学生が、ポスターセッションの発表テーマに関するSDGsの17目標に関して英語でディスカッションする機会を通じてつながり、今後のネットワークを作るきっかけの場となりました。

ポスターセッションでは、日頃取組んでいるグローバルな社会課題研究の成果を発表するとともに、他の発表に触れてグローバルな社会課題に対する見識を深めお互いに刺激を受ける場となりました。発表した高校生は、全国から集まった外国語の指導主事や英語の教員等に審査に協力いただいた審査委員等に対してプレゼンテーションを英語で2回ずつ行い、その発表について英語での質疑応答も含む内容について審査が行われました。

テーマ別分科会では、国際的な課題意識をもった生徒が集まり、ポスターセッションの発表テーマに関するSDGsの17目標について、4つの大きなテーマ:「格差のない社会をめざして」、「自然環境と生活」、「社会的環境と生活」、「持続可能な産業と開発」の下、さらに小グループに分かれ、グローバルな社会課題の解決に向け高校生にできることは何か等、英語でディスカッションしました。

生徒交流会(全体会)では、オランダ出身(日本国籍)の長崎大学学長補佐の山下龍先生がファシリテーターを努め、テーマ別分科会に参加した生徒達約400名が分科会で学び合ったことを全体で共有しました。会場からは臆せず積極的に自分の考えなどを英語で発言する様子が見られました。

ポスターセッションの優秀校発表では、審査委員による厳正な審査の結果、東京工業大学附属科学技術高等学校(SGH)、渋谷教育学園渋谷中学高等学校(WWL)、立命館宇治高等学校(WWL)、大阪府立天王寺高等学校(WWL) の4校が優秀賞に選ばれ、ステージ上で4分間の英語でのプレゼンテーションを行いました。

最後に閉会式と表彰式がおこなわれました。主催者を代表して茂呂雄二筑波大学副学長・附属学校教育局教育長より挨拶が行われた後、文部科学大臣賞をはじめ、以下の学校が表彰されました。

文部科学大臣賞(1校)

・渋谷教育学園渋谷中学高等学校(WWL事業拠点校)

テーマ「グローバルレスポンシビリティー高校生国際会議 多国籍企業から学ぶ中小

企業の災害対策」

事業名 WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業

審査委員長賞(3校)

・東京工業大学附属科学技術高等学校

事業名 スーパーグローバルハイスクール(SGH)

・立命館宇治高等学校(WWL事業拠点校)

事業名 WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業

・大阪府立天王寺高等学校(WWL事業連携校)

事業名 WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業

■審査委員長特別賞(3校

・清教学園高等学校(SGHアソシエイト)

・カセサート大学附属高等学校(タイ)(WWL事業連携校)

・臺中市立臺中第一高級中等學校(台湾)・神戸市立葺合高等学校・神戸市立科学技術高等学校(WWL事業拠点校合同発表)

■生徒投票賞(4校)

・東京学芸大学附属国際中等教育学校(SGH)

・静岡県立三島北高等学校(WWL事業拠点校)

・立命館高等学校(WWL事業連携校)

・大阪府立三国丘高等学校(WWL事業連携校)

表彰式では、各事業の企画評価会議座長である二宮皓広島大学名誉教授(SGH)、鎌田薫前早稲田大学総長(WWL)、松本茂立教大学グローバル教育長(グローカル型)からそれぞれ「審査委委員長賞」等として賞状とトロフィーが高校生へ授与されました。

最も優秀な学校として表彰された渋谷教育学園渋谷中学高等学校に対して、佐々木さやか文部科学大臣政務官により「文部科学大臣賞」の賞状とトロフィーが授与されました。また、この副賞として、グローバルリンク・シンガポール実行委員会委員長から来年の8月にシンガポールで開催される会のポスターアドバンストセッションへの参加権等が贈られました。

最後に佐々木さやか文部科学大臣政務官より、会場にいる高校生に向けて、「持続可能な世界を作っていくために何をすべきか、その答はまさに皆さん一人一人の行動にかかってくる。今後も継続的に、学習に取り組み、グローバルリーダーズとして積極的に課題解決に関わることのできる大人に成長してくれることを心より期待する。」というメッセージをいただき盛会のうちに会を終了しました。

本フォーラムをとおして、SGH事業・WWL事業・グローカル型の更なる連携と、各事業の成果の普及を図ることが期待されます。

本フォーラムでは、SGH・WWL・グローカル型の各学校にボランティアを募り、司会進行・運営等多大なるご協力をいただきました。お忙しい中、快く引き受けていただきましたこと、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

118校によるポスターセッションの様子

生徒交流会【テーマ別分科会】 青木三郎筑波大学人文社会系系長・教授

生徒交流会【全体会】における意見交換

閉会式挨拶 茂呂雄二筑波大学副学長・附属学校教育局教育長

表彰式・メッセージ 佐々木さやか文部科学大臣政務官