附属学校教育局教育長より

黒姫高原共同生活に参加して

附属学校教育局教育長 宮本信也

黒姫高原共同生活では、筑波大学附属学校群の普通学校と特別支援学校の児童生徒たちが2泊3日の共同生活を通して、お互いの理解と交流をさらに促進することが目指されています。
今年も、黒姫高原の自然の中、子どもたちは、全ての活動を一緒に行いました。野外炊事、ハイキング、お菓子作り、工作、レクリエーション、キャンドルサービスなどです。各活動の中で、簡単なレクチャーを受けた後、車椅子のサポートを自然に行っている生徒もいました。マイペースなところがある子どもにずっと寄り添っていた生徒もいました。聴覚特別支援学校の生徒から手話を教えてもらい、手話で合唱をした子どもたちもたくさんいました。
共同生活の中で授業や資料配付がなくても、子どもたちはそれぞれに自然に接するようになっていました。実際には、おとぎ話のようなことはなく、普通学校と特別支援学校どちらの児童生徒も、黒姫に来るまでは不安や心配をそれなりに感じていたことは、子どもたちからの事後の感想で分かっています。それでも、3日間の子どもたちの様子を見ていて、この共同生活の中で、子どもたちは、それぞれの違いは違いとして受け止めながらも、中学生はやっぱり中学生、高校生もやっぱり高校生と、お互いに同じところが多いことを確認できていったように感じました。こうした体験は、普通学校と支援学校の子どもたち同士の理解に留まらず、特性の異なる支援学校の子どもたち間の理解の促進にもつながるように思われました。
共同生活の中で、子どもたちは、違いの理解と類似への気づきから、さらに多様性の理解へと歩みを進めてくれるものと信じています。この活動は、インクルーシブ教育とグローバル教育の融合となる可能性を感じています。
最後になりますが、事前の下調べや準備に力を注いでいただいた生徒や先生方、そして、地域や宿泊施設のご理解とご協力にあらためて感謝いたします。

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