附属学校児童生徒の作品展示「附属大塚特別支援学校」

 

 

東京キャンパス文京校舎において、附属大塚特別支援学校(知的障害教育実践校)高等部生徒による「えがおカフェ」が、令和3年11月から令和4年2月にかけて4回営業され、生徒たちの手作りの菓子や布小物が販売されました。

えがおカフェは、同校生徒の職業・キャリア教育の一環として、生徒が主体となって製造・販売・接客を行う取り組みで、今年度で5年目となります。これまでにも近隣の公共施設での出張販売など、共生社会の推進や地域交流に貢献してきましたが、コロナ禍においても生徒の教育実践と社会貢献の両立を実現すべく、保健所の指導を受け感染対策を万全にした上で今回の製造・販売に臨みました。購入した商品を入れる20センチメートルほどの手提げ袋は、大学図書館から譲り受けた英字新聞に「えがおカフェ」のタグを取り付け、同校PTAの協力のもと生徒がリメイクしています。また、附属坂戸高等学校で育てられている卵を製菓材料の一部として使用し、広告に附属聴覚特別支援学校造形芸術科が協力するなど、大学と附属学校群が連携して、この取り組みを進めています。

販売会場では、「スノーボールクッキーが美味しくて、毎回楽しみにしています。」とお気に入りのお菓子ができたことや、「台湾カステラがふわふわで美味しい。まだ在庫があって良かった。」「新聞バッグがかわいくて、普段も使っているのよ。」と商品や新聞バッグを楽しみに来店していることを話してくださることが多くあります。また、「チョコ系のお菓子がどれも美味しいよ。」とお客様同士、話をしながら商品を手にしておられる姿を見かけることもあります。お菓子を通じて、人と人が笑顔になる様子を見ているとこちらも嬉しくなります。

この活動を通して、生徒達が製造、販売・接客といった様々な場面で工夫をしたり、気をつけて取り扱ったりする姿が見られるようになってきました。製造場面では、ふわふわな生地にするために道具の扱い方を見直し、混ぜ方に気をつけるなど一つ一つの作業が丁寧になりました。接客場面では、どんな風に商品を紹介すると購入してくださるのかを考え、作業工程を説明したり、材料を紹介したり自分自身で工夫をしながら紹介できるようになりました。「お菓子の説明が上手だから。」とたくさん購入してくださったお客様がいたことも、生徒の自信につながったようです。自分たちが作った製品が販売され購入されていく様子を身近に体験したことにより、「商品を販売するために必要なこと」に気づけるようになった生徒が多くいます。また、販売を始めた頃は、大学に行くことさえも緊張していた様子でしたが、繰り返し経験をさせて頂いたことで、接客が上手にできたと感じたり、自分が作った商品が完売したことに達成感を感じたりし、帰る道中には、やりきった笑顔で満ち溢れるようになりました。

同校の大宮弘恵副校長・えがおカフェ実行責任者によると、「えがおカフェ」は5年前、当時の高等部生徒たちと教師がネーミングしました。「自分たちが作ったお菓子と飲み物でお客様をおもてなししたい」「お客様も自分たちもえがおになるカフェにしたい」という願いが込められています。東京キャンパスでの「えがおカフェ」で教員・生徒たちの夢の半分が実現しました。カフェを実現するには課題は多いですが、カフェに限らず、自分たちがしていることが人を笑顔にできる、人のためになるという経験は、生徒たちの今後の人生において貴重な財産になります。生徒たちの可能性はたくさんあると感じています。学校で学んだ成果を、もっと様々な場面で発揮できる活動に発展させていきたいと願っています。

 

附属聴覚特別支援学校造形芸術科作成のチラシ

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