教育長あいさつ


 筑波大学には、小・中・高等学校6 校(附属小学校、附属中学校、附属駒場中学校、附属高等学校、附属駒場高等学校、附属坂戸高等学校)、特別支援学校5 校(附属視覚特別支援学校、附属聴覚特別支援学校、附属大塚特別支援学校、附属桐が丘特別支援学校、附属久里浜特別支援学校)、計11校が附置されており、全障害種を網羅する国立大学法人としては最大規模の附属学校群を形成しています。

 筑波大学附属学校教育局は、初等中等教育に関する教育実践研究をさらに進めるとともに、附属学校群の運営に関する統括及び調整を行う組織として、国立大学法人化の際に、学校教育部から附属学校教育局として再編されました。自治体等における教育委員会のような役割をもちながらも、大学と連携して進める研究と実験教育を進化させる機能を大きな特徴とします。

 国立大学法人の附属学校には、「先導的・実験的な教育取組による国の教育政策への寄与」や「地域教育界との連携の下、地域のモデル校として地域における教育活動推進への寄与」が求められ(「国立大学附属学校の新たな活用方策などに関する検討とりまとめ」(文部科学省、平成21年3 月26日))、国や地域の教育に資する総合的な教育実践の研究活動が要請されています。

 このような役割は、日本に近代学校教育制度が誕生した当初から附属学校に課せられていたものに他なりません。明治から現代に至るまでの歴史と社会の変遷の中で、これらの役割を意識しながら、その時代のニーズに応えるべく対応してきたといえます。

 2023年6 月16日に閣議決定された第4 期教育振興基本計画(2023~2027年度)では、「2040年以降の社会を見据えた持続可能な社会の創り手の育成」、「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」がコンセプトとして掲げられました。附属学校群は、個々の学校の伝統と特色を生かしながらも、このような時代の要請に応じた先導的かつ実験的な教育研究を通じて社会に貢献することが期待されています。これからも時代の変化に応じた取り組みを継続して参ります。

2023年 筑波大学附属学校教育局教育長 呑海 沙織