令和6年度附属学校群の交流及び共同学習
三浦交流行事‐11校が一つになる集い‐
筑波大学には、小・中・高等学校6校と特別支援学校5校の計11の附属学校があります。特に障害種の異なる特別支援学校(視覚、聴覚、知的、肢体不自由、知的・自閉)が複数ある点は、他に類をみないバラエティに富んだ学校群を形成しています。このように多様な幼児児童生徒が集まっている特徴を生かし、筑波大学附属学校群は、「筑波ならでは」といえる交流及び共同学習に取り組んでいます。
また、附属学校間の交流も盛んに行われています。
三浦交流行事 -11校が一つになる集い-
令和6年10月13日(日)、附属久里浜特別支援学校を会場に、筑波大学附属学校教育局主催の「三浦交流行事-11校が一つになる集い-」を開催しました。
当日は、筑波大学附属学校群(11校)から76名の児童生徒が参加しました。会場校以外の児童生徒は東京キャンパス文京校舎から大型バスに乗って会場に向かい、到着後、附属久里浜特別支援学校の児童と合流して開会式を行い、10班に分かれて活動しました。午前中は国立特別支援教育総合研究所の体育館をお借りし、風船バレー、サウンドテーブルテニスを参考にしたスポーツ交流を行いました。
交流行事の活動内容は、バスレクも含め、各附属学校から3名ずつの中高生が集まった生徒実行委員会が企画したものです。多様な参加者に対して、「どうしたら全員が楽しめる活動になるか」、「どういった情報保障や配慮が必要なのか」といった点を中心に、5月から議論を重ねてきました。
初めての参加者もいて、事前学習を行うことも難しい状況の中、生徒実行委員会は様々な工夫を行いました。しおりの作成に当たっては、文字フォントや大きさにこだわり、分かりやすい短文で表現することに努めました。また、それぞれに必要な配慮を「障害理解」の動画にまとめ、事前提供を行った上で、バス内でも視聴しました。生徒実行委員会がこうした工夫を行うことで、それぞれの活動がスムーズに進行していったと感じています。
午後の活動は探索型工作でした。活動の内容は、校舎内に設置されたポイントをめぐり、クイズに正解して工作の材料を集め、与えられたテーマの工作をするというものでした。今回の工作のテーマは「海」。活動の流れは昨年度と同様でしたが、今年度は工作材料として新たに、「ソニーマーケティング株式会社」様よりお借りした「MESH(メッシュ)」というプログラミング可能なIoTブロックが加わりました。プログラミングというと少し難しく感じられますが、柔軟な感性の児童生徒にとっては、魅力的な工作材料となりました。
工作活動でも、手話や筆談を使ってやり取りする様子や、年長者が作業をわかりやすく説明したり、協力したりする様子が見られ、全員が参加できる工作活動が進んでいきました。限られた時間の中、それぞれの班でさまざまなアイデアが詰まった素晴らしい作品が出来上がりました。作品発表では、「MESH」ブロックのLEDを使って光を出したり、視覚障害がある人も楽しめるように波の音が出るようにしたりと、どの班の「海」にも「MESH」を使ったさまざまな仕掛けが加えられていたことにも驚きました。
閉会式では生徒実行委員会の委員長、副委員長が、参加者から届く「楽しかった」の声を受け、会を締めくくりました。児童生徒が交流行事を主体的に進め、存分に楽しむ。交流行事を自分たちの手で作り上げ、盛り上げていこうとする気持ちが来年度へと引き継がれていくことを感じられる行事となりました。
今年度第2回の交流行事として、令和6年12月14日(土)に共生シンポジウム-共生社会を目指す「つくばふぞく」の集い-が予定されています。
※ 本行事は、附属学校群の交流行事の意義に賛同される以下の企業のみなさまよりご支援をいただき、実施いたしました。
「あいおいニッセイ同和損害保険株式会社」様からは、寄附金を頂戴し、本行事の運営に活用しました。
「ソニーマーケティング株式会社」様からは、「MESH」キットを多数、当日のみならず事前に貸し出していただいたほか、附属視覚特別支援学校にて事前の出張レクチャーも実施してくださいました。