「WWLコンソーシアム構築支援事業およびスーパーグローバルハイスクール(SGH)ネットワーク令和4年度連絡協議会」開催

去る7月1日に「令和4年度WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業およびスーパーグローバルハイスクール(SGH)ネットワーク連絡協議会」(文部科学省・筑波大学主催)がオンラインで開催され、WWLカリキュラム開発拠点校(国の指定を受けて、カリキュラムを開発する高等学校等)23校、WWL拠点校(WWL事業の指定期間終了後に自走して取り組む高等学校等)6校、地域AL拠点機関2拠点、SGHネットワーク参加校90校など関係者286名(パネリスト58名・視聴者228名)が参加しました。

WWL事業は、将来、世界で活躍できるイノベーティブなグローバル人材を育成するための高度かつ先進的なカリキュラム研究開発を目的とし、令和元年度より実施されています。SGHネットワークは、令和2年度までの事業であったSGH等のイノベーティブなグローバル人材育成を実践する事業の成果を踏まえ、継続的発展的に取り組む高等学校等を対象としたネットワークを構築し、SGH等の成果普及と持続可能なグローバル人材育成ネットワークづくりの推進を目的とし、令和3年度より実施されています。

本連絡協議会は、WWL事業およびSGHネットワークの関係者が各校における研究の進捗状況や課題などについて情報共有を図ることを目的として開催されました。

午前の部は、筑波大学附属学校教育局の梶山正明教育長補佐による司会の下、WWL企画評価会議の萱島信子座長(独立行政法人国際協力機構 緒方貞子平和開発研究所顧問)による代表挨拶から始まり、文部科学省初等中等教育局参事官(高等学校担当)付の橋田育哉参事官補佐よりWWLコンソーシアム構築支援事業に関する事務局説明および施策説明がありました。

続いて、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学と国立大学法人広島大学より、地域AL(アドバンスト・ラーニング)拠点機関による取組説明がなされました。地域AL拠点機関とは、全国拠点機関との連携、域内ALネットワークの統括・情報集約、域内でイノベーティブなグローバル人材育成を実施する高校との連携促進機能を有した取組を通じて、域内各事業拠点間のネットワークを構築し、WWL事業全体の効果的な実施を目指すものです。昨年11月に2拠点機関が決定し、今年度より本格的な取組が開始されています。

その後、令和2年度指定WWLカリキュラム開発拠点校である京都府立鳥羽高等学校、岡山県立岡山操山中学校・高等学校、中村学園女子高等学校の3校より、「国際会議実施に係るプロセスで苦労した点や工夫点について」を表題としたWWL取組発表①を実施しました。そして、これら発表に続き、同志社国際高等学校、愛媛大学附属高等学校、新潟県立三条高等学校のWWLカリキュラム開発拠点校3校および4名の企画評価会議委員から、それぞれの取組に対するコメントがあり、上記3発表校がそれらコメントに回答する形での意見交換が実施され、盛況のうちに午前の部が終了しました。

午後の部は、筑波大学附属学校教育局の久保尊洋特任助教の司会の下、令和3年度指定WWLカリキュラム開発拠点校である北海学園札幌高等学校、名古屋大学教育学部附属中・高等学校、奈良県立国際高等学校の3校より「高大連携の取組に係るプロセスで苦労した点や工夫点について」を表題としたWWL取組発表②から始まりました。続く意見交換では、広島大学附属福山中・高等学校、宮崎県立宮崎大宮高等学校、京都先端科学大学附属高等学校のWWLカリキュラム開発拠点校3校と4名の企画評価会議委員から、それぞれの取組に対するコメントがあり、上記3発表校がそれらコメントに回答を行いました。

続いて、令和4年度指定WWLカリキュラム開発拠点校である名古屋国際中学校・高等学校、滋賀県立彦根東高等学校の2校より、WWL取組発表③として「これからの取り組み内容」についての発表がありました。そして、これら発表に続き、大阪教育大学附属高等学校平野校舎、熊本県立熊本高等学校、愛知県立千種高等学校のWWLカリキュラム開発拠点校3校と3名の企画評価会議委員からそれぞれの取組に対するコメントがあり、上記2発表校がそれらコメントに回答する形での意見交換が実施されました。

その後、休憩を挟み、再び梶山教育長補佐の司会により、令和元年度指定校かつ令和4年度カリキュラム開発拠点校である東京都立南多摩中等教育学校、金沢大学人間社会学域学校教育学類附属高等学校の2校から「自走に向けた取り組み内容」を表題としたWWL取組発表④が実施され、さらに、SGHネットワーク参加校である名城大学附属高等学校、甲南高等学校・中学校、岡山学芸館高等学校の3校より、「テーマ設定→課題研究→発表資料への落とし込みのプロセスでの苦労した点や工夫点について」を表題としたSGH取組発表が実施されました。続く意見交換では、富士見丘高等学校、長野県上田高等学校、長崎県立長崎東中学校・長崎東高等学校、渋谷教育学園渋谷高等学校のWWLカリキュラム開発拠点校4校および2名の企画評価会議委員よりそれぞれの取組に対するコメントがあり、上記5発表校がそれぞれの視点で回答を行いました。

最後に、溝上智惠子筑波大学副学長・理事・附属学校教育局教育長による閉会の挨拶があり、過去2年間のCovid-19禍での取組の中で、新たな形態を取り入れつつ工夫して学びを前進させてきた各学校に敬意を表するとともに、今般課題となっている成果検証にも触れ、どのような物差しでどのように成果を測るかがイノベーティブなグローバル人材育成の「意味」に直結する点が述べられたのち、すべての充実したプログラムが終了しました。

今回の連絡協議会は昨年度に続いてオンラインで開催されましたが、会場開催同様、各学校からは熱意ある意見の交換や事例の共有がなされました。参加者からは、
「相互の取組を紹介し、可視化する機会があるというのはとても素晴らしい機会だと思った。」、「SGHやWWL事業のおかげで、高大連携事業が拡大し、大学の教育や研究が社会に開かれたものとなってきたと感じた。」、「各校の研究開発の後押しとなるプログラムやコンテンツを共通のプラットフォームにのせて、開かれた共有財産としていくAL拠点機関の取り組みに大いに可能性を感じる。」
など、示唆に富んだ発表や意見交換にさまざまなフィードバックがありました。Covid-19禍ではありますが、各校の連携がより深いものになり、研究開発がさらに推進されることが期待されます。

連絡協議会の詳細についてはHPをご覧ください。
https://b-wwl.jp/news/2034/