高2キャンパス体験
高等部2年生は、自立活動「自己決定と社会参加」の授業の一環として、7月17日に筑波大学へキャンパス体験に行きました。このキャンパス体験は、本学人間系障害科学域の佐島毅先生、宮内久絵先生、ヒューマンエンパワーメント推進局(BHE)の横井美緒先生、岸良隼人様、そして、大学生22名の御協力の下で実施いたしました。ありがとうございました。

当日は、学校から貸切バスで筑波大学へ移動しました。このキャンパス体験で、初めて大学に行くという生徒がほとんどだったようで、楽しみにしている様子が見られました。
到着後、最初に、大教室で佐島先生の模擬講義を受けました。模擬講義はスライドを使用した講義形式で、実際に大学生が受けている講義を行ってくださいました。生徒たちは事前に配布された資料を手元の自分の機器(タブレット端末や点字情報端末)で読みながら講義を受けました。

資料が手元になかったり、事前に読んでおいたりしないと、講義の内容を理解することが難しいことを実感し、配慮申請を通してテキストデータやPDFデータの事前配布を依頼することの必要性を理解しました。
模擬講義の体験後には、大教室の広さを実感するために、参加生徒はペアになった学生の皆様と一緒に、教室内を歩いて見学しました。階段状になっている教室をぐるりと一周し、300名程度収容できる広さを確認しました。この経験を通して、大学に多くの学生が学んでいることを実感できたという生徒もいました。
その後は3班に分かれ、中央図書館での図書検索、視覚障害学生支援室の見学、学内散策を行いました。

昼食は、学食で好きなメニューを選んで大学生と一緒に食べました。メニューは豊富で安く、皆喜んでいましたが、席を見付けて移動すること、食事後の片付けなど、慣れるまでの大変さも体験しました。
学校では、日頃、一つの校舎の中で勉強をしているため、校舎内の移動はしていても、建物間を移動することはほとんどありません。今回、キャンパス内をペアの学生さんと一緒に歩き、キャンパスの広さを少し実感することができました。多くの場所に点字ブロックが敷かれていることに感動した生徒もいましたが、キャンパス内を自転車で移動することが多い筑波大学で安全に移動することの難しさや、メンタルマップをつくることの大切さ、歩行の技術をしっかり身に付けておくことの必要性なども感じていました。
最後には、班ごとにまとめの時間を取り、一日の活動を通して気付いたこと、感想などを全員で共有し、大学の先生からまとめのお話をいただきました。
キャンパス体験を通じて、実際の大学生活についてイメージを膨らませることができたようです。生徒からは、「自分自身を理解することの大切さを学びました。(中略)自分の障害についてどのように配慮してほしいか、自分がどのくらい見えるのかなど具体的に説明できるようにし、自分自身を理解していくことが大切だと思いました。」などの感想がありました。また、大学で生活するためには支援を受け身で待つのでなく、必要な配慮希望事項を自分から伝えることが大切だと気付けた生徒もいました。
キャンパス体験で学んだことを生かして、これからの進路選択や卒業後の学びへつなげてもらえることを願っています。
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