子どもの人間関係能力を育てる
プログラム(SEL-8S)の導入
― 安心して学び合える学校づくりに向けて ―
筑波大学附属学校では、児童生徒一人ひとりが自分らしく安心して学校生活を送り、他者とよりよい関係を築きながら成長していくことを目指し、社会性と情動の学習(Social Emotional Learning:SEL)プログラムを導入します。
今年度は、附属小学校および附属中学校を対象に導入し、その成果を検証しながら、将来的に全11校の附属学校へ段階的に展開していく予定です。
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なぜ、今、SELなのか
近年、社会環境やコミュニケーションの在り方の変化により、子どもたちが日常の遊びや人との関わりの中で自然に身につけてきた社会性や感情の力(社会情緒的・非認知能力)を育みにくくなっているという課題が指摘されています。
本学附属学校では、いじめやトラブルが起きてから対応するのではなく、子どもたちの内面の力を育てることで未然に防ぐ、予防的・発達支持的な生徒指導(プロアクティブな生徒指導)を重視します。その中核となる取組として、国内外で効果が示されているSELを、教育活動の中に計画的・継続的に位置付けて実施します。 -
社会性と情動の学習(SEL)とは
SEL(Social Emotional Learning)とは、児童生徒が自分の感情に気づき、理解し、適切に調整する力、他者の気持ちを理解し、良好な人間関係を築く力、状況に応じて、責任ある判断や行動を選択する力を育むための教育の考え方・実践の総称です。
SELは欧米を中心に広がってきましたが、近年の日本においても注目されており、2022年12月改訂の『生徒指導提要』でも、その考え方や取組が紹介されています。
特定の一つの心理教育プログラムを指すものではなく、自己理解、セルフマネジメント、他者理解、対人関係、責任ある意思決定といった力の育成に資する、さまざまな学習活動を含みます。 -
期待される効果
これまでの研究では、SELの実践により、
●思いやりや協働性など、利他的な行動の増加
●学業面を含む学校生活への前向きな影響
●いじめや問題行動の減少
などが報告されています。
また、SELは児童生徒だけでなく、教職員の心身の健康維持や、保護者の子育てにおける心理的負担の軽減にもつながることが示されています。 -
本学附属学校の取組
本学附属学校では、学校段階別に整理された学習指導案を活用しながら、各学校の実情に応じた工夫を加えてSELを実践していきます。まずは附属小学校・附属中学校で導入し、成果と課題を丁寧に検証しながら、附属学校全体へと段階的に広げていく予定です。
本学附属学校は、SELを教育の基盤の一つとして位置付け、子どもたちが自分を大切にし、他者と協働しながら、未来を主体的に切り拓いていく力を育む教育の実現を目指します。