インド共和国全国盲人協会グジャラート支部と国際交流協定締結

 この度本校は、8月にインド共和国全国盲人協会グジャラート支部との間で、筑波大学教育局認可のもと、国際交流協定を締結しました。
 2009年から2校間で開始した、職業教育に関する情報交換を主体とした交流に続き、2013年2月~2016年1月に筑波大学附属視覚特別支援学校高等部専攻科鍼灸手技療法科によるJICA草の根支援事業「インド共和国における視覚障害者の職業教育支援」が行われ、視覚障害者を対象とした日本式医療的手技療法教育 (Japanese Medical Manual Therapy:以下JMMT)をインドの視覚障害者教育に委嘱する事業を開始しました。モデル校においては現在に至るまで上記教育がインド人教員により自律的に行われ、毎年10名前後の卒業生を輩出しています。
 筑波大学附属学校教育局はJMMT課程の卒業生に対して継続的に教育長署名の修了証明書を発行しており、両校の間にはJMMTの今後の発展、および将来的な鍼灸教育の導入に向けて更なる協力体制をとっていく旨、合意がなされています。
 これまではJICA事業時に双方署名した、MOU(Memorandum of Understanding,基本合意書)という形で協力関係の継続を確認してきましたが、今後も継続にこの事業を進めていくため、国際交流協定を締結することとし、今回締結の運びとなりました。
 本校から、青木隆一校長、国際教育係長 寺﨑直教諭、鍼灸手技療法科主任 前田智洋教諭が、8月にインド盲人協会グジャラート支部職業部門を訪問し、国際交流協定書の締結、2023年度卒業生への修了証授与、現地生徒・教員に対する技術確認、自律神経反射機転を用いた手技療法に関する講義と実技指導を行いました。

 技術確認においては、リスク管理を行いながら的確に施術できる能力を身に付けている様子がみられました。今回、筑波大学理療科教員養成施設の協力を得て、3Dプリンタで作成した眼球や脊柱、腸管の解剖模型や、本校岸本有紀教諭作成の頭頸部感覚神経支配領域上・表情筋上の経穴触察模型と眼球の層構造模型を贈呈しました。現地では、細かな様子を表現した模型に対して驚きと、このような模型でさらに理解を深められると、感謝のお言葉をいただきました。
 今後も本校は、インドにおける視覚障害者職業教育の充実に向けて、JMMT教育の発展のための現地教員養成制度の確立や、更に鍼灸教育の導入も視野に入れて、現地と協力しながら取り組んでいきます。

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